入管事件
当事務所では、在留認定証明書交付申請(国外からの親族の呼寄せ)、在留資格の更新・変更、永住許可申請、退去強制手続への対応、仮放免許可申請、入管関係訴訟など入管・在留資格に関する事件を幅広く取り扱っております。
また、当事務所の弁護士は、1度目の申請は行政書士あるいは他の法律事務所に依頼をして行ったものの、不許可となったため相談したいというお客様からも多数のご相談・ご依頼をいただいております。そのうち多くの事件では、代表弁護士が事案を精査・検討し、証拠を吟味した上で再申請を行うことによって更新あるいは変更の許可という結果を獲得しております。
在留資格に関する問題については、日本でも有数の知見を有する当事務所にご相談ください。
入管事件の概要
- 在留資格関係事件は、大きく2つの類型に分けることができます。それは、在留資格を有している方(正規在留者)の事件と有していない方(非正規在留者)の事件です。
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在留資格を有している方の事件は、大きく3つの類型に分けることができます。それは、①海外からの親類等の呼寄せ(在留資格認定証明書交付申請)に関する事件、②在留期間の更新、③在留資格の変更の3つです。
当事務所では、これらの事件についてご依頼をいただいた場合、1度目の申請で不許可となったというケースでは、まずは、入国管理局に出向いて担当官から不許可の理由を聴取し、新たな証拠を添えてその部分をカバーするようにしています。こうすることによって申請が認められることが往々にしてあります。 -
在留資格を有していない方の事件は、大きく2つの類型に分けることができます。それは、①退去強制令書が発付される前に在留特別許可を得ることを目指す事件と、②退去強制令書が発付された後に在留資格を得ることを目指す事件です。
前者については、口頭審理と呼ばれるインタビューに向けて証拠を収集、作成し、意見書を提出するとともに、口頭審理に立ち会うことによって在留特別許可が付与されるよう尽力します。
後者については、訴訟提起による在留資格付与の可能性を検討し、それがあると認められるような場合には、訴訟を提起します。また、訴訟による解決が難しく、他方で、退去強制令書が発付された後に婚姻した場合、子供が生まれた場合などの事情変更が存在するときは、それらの事情が存在することを訴えて入国管理局に再審情願を行い、在留資格の付与を求めていきます。
さらに、在留資格がないために入国管理局に収容されている方については、仮放免の申請を行い、一刻も早く身体拘束が解かれるよう活動を行います。なお、仮放免申請には、身元保証人が必要となります。一般的には身内の方が身元保証人となることが多いですが、身元保証人になってくれる身内の方がいないご依頼者については、当事務所の弁護士が身元保証人となることもあります。
解決事例
以下に当事務所の弁護士が手掛けた入管事件についてご紹介いたします。
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- Case 1(退去強制手続によって在留特別許可が得られた事例)
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事案
相談者は、アジアのA国籍の男性です。20年以上前に留学生として来日しましたが、学校を終了した後も20年以上オーバーステイの状態で日本に滞在を続けました。相談者は、20年以上日本に滞在していると正規の在留資格を取得できる可能性があるということを知人から聞き、当事務所に相談に来られました。 -
解決方法
弁護士とともに入国管理局に出頭し、不法残留であることを申告しました。その後、職場の同僚、友人・知人から多数の嘆願書を取得し、相談者の人柄・人望や、20年間以上平穏に日本で生活してきたことなどを多数の証拠を添えて訴え、弁護士の意見書とともに提出しました。審査に1年以上の期間を要しましたが、最終的に在留特別許可により「定住者」の在留資格を取得することができました。
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- Case 2(訴訟によって在留特別許可が得られた事例)
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事案
相談者は、日本国籍の男性とアジアのB国籍の女性の夫婦です。女性には、前夫との間に生まれた18歳になる双子の男の子がいます。女性は、子らと一緒に日本で生活したいと考え、まずは短期滞在の在留資格で呼び寄せました。その後、「定住者」の在留資格に変更許可申請をしましたが、不許可となり、そのままオーバーステイとなってしまいました。入国管理局での退去強制手続は、当事務所ではない別の事務所の弁護士が担当し、進めていましたが、在留特別許可を得ることはできず、退去強制令書が発付されてしましました。夫妻は、何とかして子らを日本に残したいと考え、当事務所に相談に来られました。 -
解決方法
裁判所に対して、退去強制令書発付処分取消請求訴訟を提起しました。当初、国側は争う姿勢を示していましたが、何度か準備書面のやりとりをした後、入国管理局の担当官から連絡がありました。担当官によると、再審情願をしてもらえれば、「定住者」の在留資格を付与するので、訴訟については取り下げてほしいとのことでした。これを受け、再審情願の申請をしたところ、しばらくして、子らには在留特別許可により「定住者」の在留資格が付与されました。その後、訴訟は取り下げて終了となりました。
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- Case 3(18歳の連れ子に対して「定住者」の在留資格認定証明書が交付された事例)
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事案
相談者は、日本国籍の男性とアジアのC国籍の女性の夫婦です。女性には、C国に残してきた前夫との間の子がいます。子は18歳になったことから、女性は、子に対して日本で高等教育を受けさせたいと考えました。そして、「定住者」の在留資格の付与を求めて、在留資格認定証明書の交付申請を行いましたが、不交付となりました。夫妻は何とかして子を日本に呼び寄せたいと考え、当事務所に相談に来られました。 -
解決方法
外国人配偶者の連れ子については、親の扶養を受ける未成年で未婚の実子であれば定住者の在留資格が付与されます。今回のケースですと、18歳と成人年齢に近づいており、親の扶養を受ける必要性が認められないことなどが不交付の理由でした。そこで、いまだ自立しておらず親の扶養を受ける必要があること、来日後は就労するのではなく、日本語学校に通い日本語を習得し、その後、高等教育を受けるため進学を検討していることなどを証拠をつけて丁寧に説明しました。そうしたところ、無事「定住者」の在留資格認定証明書が交付されました。
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- Case 4(上陸拒否事由がある者について上陸特別許可が認められた事例)
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事案
相談者は永住者の在留資格を有するアジアのD国籍の女性です。相談者には、D国にD国国籍の夫がいます。夫とともに日本で生活したいと考えていますが、夫は、20年以上前にオーバーステイで逮捕され、有罪判決を受けていました。夫は、その後、D国で正規の手続により氏名を変え、過去に退去強制を受けたことを秘して、その名前で何度か来日していましたが、数年前、入国しようとしたところ、指紋により過去に退去強制歴があることが発覚し、入国することができませんでした。以後、来日していません。女性は、一度自分で在留資格認定証明書の交付申請を行いましたが、不交付となりました。そこで、何とかして夫と一緒に日本で生活することはできないものだろうかと考え、当事務所に相談に来られました。 -
解決方法
夫は、過去に日本で有罪判決を受けたことがあるということですので、入管法上の上陸拒否事由が存在するということになります。しかも、夫は、そのことを秘して何度か来日していたということですから、ご依頼を受けた当初は、入国はかなり難しいのではないかと考えておりました。しかし、夫婦の愛情が深く、入国を認めないのは人道上許されるべきではないこと、夫婦が日本で生活をしていくのに十分な資力を有していることなどを記載した意見書を作成し、それに女性の手書きの嘆願書等多数の証拠を添えて入国管理局に提出しました。そうしたところ、審査には半年以上の期間を要しましたが、無事、「永住者の配偶者等」の在留資格認定証明書が交付されました。
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- Case 5(離婚後に「定住者」への在留資格変更許可申請が認められた事例)
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事案
相談者は、アジアのE国籍の男性です。日本人女性と15年以上婚姻関係にありましたが、不仲となり、離婚しました。当時、相談者の在留資格は「日本人の配偶者等」でした。相談者は、在留資格をどうすればよいか行政書士に相談したところ、「投資経営」(現在の「経営管理」)の在留資格に変更すればよいとのアドバイスを得たため、そのように変更許可申請を行いました。しかし、変更申請は不許可となり、出国準備のための「特定活動」の在留資格が付与されました。相談者は、何とかして日本に滞在したいと考え、当事務所に相談に来ました。 -
解決方法
相談者が長年日本で平穏な生活を送ってきたこと、日本で生活をしていくのに十分な資力があること、元妻との間に子がおり、その子と面会交流を継続する必要があることなどを記載した意見書に証拠を添えて「定住者」への変更許可申請を行いました。結果がでるまで半年以上時間がかかりましたが、無事、変更が許可され「定住者」の在留資格を取得することができました。